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​理事長挨拶

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デジタルリスク協会

​理事長 中村伊知哉

この15年間で、パソコン・ケータイとインターネットが暮らしやビジネスに定着しました。

そして昨年、メディアは、機器・ネットワーク・サービスの3点で15年に一度の大波に洗われました。

まず、パソコン・ケータイに次ぐ新しい機器の登場。スマートフォン、タブレット端末、電子書籍リーダー、デジタルサイネージ、スマートTVといったマルチスクリーンです。そして、ブロードバンドの全国化と地デジの完成。

通信・放送をまたがるクラウド・ネットワークの整備です。さらに、SNSなどソーシャル・サービスの定着。

特に震災で威力を発揮しました。15年間、期待されてきた「コンテンツ」よりも存在感を示しています。

女子高生が10年前にはもう親指一つでケータイメールを打っていたように、日本は老いも若きも情報を発信する

「ネットユーザ力」の高い国。世界一と言ってもよい。世界のブログで使われている言語は日本語が最も多い、という調査結果もあります。
ところが、急激なメディアの変化と普及に社会が追いついていない面もあります。スマホやソーシャル・サービスの

普及により、これまで以上に多くの国民がネット社会に参加するようになり、それで新たなリスクが生じてきているのです。

3.11の震災後、ソーシャル・サービスは人々の絆を紡ぎました。一方、一時的ではありますが、デマや風評が人々を

戸惑わせることもありました。このほか、情報漏えいやネット炎上、企業に対するネット批判など、ITでの情報を巡るトラブルや被害は深刻化しています。こうした問題は今後も広がりを見せるでしょう。

根拠のないネット上のつぶやきが一瞬で拡散して、大問題に発展することもあります。企業にとってはその存在すら

脅かされる死活問題となり得ます。技術的に、あるいは制度的に対応することも考えられますが、それだけでは頼りになりません。企業や個人が自ら、こうした問題に対応できる体力を養う必要があります。

当協会は、こうした新しいメディアに横たわるリスクをどう軽減するのか、その啓発と対処法の共有を目的として設立するものです。ソーシャルな情報社会で企業価値を上げるかどうかは、新しいメディアにどう対応するかの姿勢が左右します。

安全で活発な情報社会を共に築くことができればと祈念する次第です。

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